CYD 用に NFJ のダンボール製エンクロージャーキット だんすぴ に1個 500円のスピーカーを組み合わせて満足してましたが、「口径以上の信じられない低音が出てビックリする事間違いなし!!」の売り文句に釣られ、昨年に購入しておいたのをようやく組み立てたました。

NorthFlatJapan 公式ブログ : 【新商品のご案内】クラス最強低音!!逆ロールエッジ アルミコーン フルレンジスピーカーユニット 3インチ 入荷しました!!
「NorthFlatJapan 公式ブログ 紹介ページ」へのリンク

購入当時は「レビュー」の条件付きで1個当たり500円引きの2980円で(現在は3480円/個)、遅まきながらレビューをしたいと思います。

逆ロールエッジって?

エッジのロール形状
エッジのロール形状

Google AI によると、スピーカーのフレームとコーンの間にあるサスペンションの働きをするエッジの形状が内側(奥側)に凹んだ構造で、構造的な剛性を高めることで大音量時や重低音の再生時に安定した特性を発揮し、歪みを低減するとのこと。

また特にクリアでパワフルな低音を求めるオーディオ自作派や、重厚な音質を追求するスピーカーシステム(特にJBLなどの往年の銘機)において、特徴的な設計として今も高く評価されているのだそうです。

エンクロージャーの選定

NFJ謹製エンクロージャー自作キット[MODEL-PLS] 組立式 左右ペア ステレオ スピーカーキット Peerless PLS-P830985に最適化 日本製MDF採用
MODEL-PLS

今回組み合わせたエンクロージャーは、デスクトップに置けるコンパクトなモノが欲しかったので、同じく NFJ 製 MODEL-PLS を選びました。タッピングビス、サンドペーパー、吸音材、スポンジ製の足やブランドステッカーまで一通りが付属し、1,262円/左右ペアです。

色々実験をしてみたかったので、これを2セット、スピーカーと一緒に購入しました。

設計

エンクロージャーの設計
エンクロージャーの設計

エンクロージャーの選定と合わせて密閉型(Sealed Enclosure)とバスレフ型(Bass Reflex)について、1つずつ製作するための加工用の図面を幾つか描きました。

また塗装は面倒なので、正面からは継ぎ目の見えない「奥行き:140mm」の①、②、③から選択することにしました。

バスレスの形状
バスレスの形状

バスレフの開口部は、キットに含まれるポート(樹脂の筒)が一般的のようで、②が良さそうです。ただ、だんすぴの実験結果からは思ったよりも違いが出なかったので、今回は③にしてみることにしました。

サブウーファー用エンクロージャーの設計例
サブウーファー用エンクロージャーの設計例

このサイト にあるように、サブウーファー用エンクロージャーの設計例としてはアリの様で、期待しちゃいます。仕切り板のサイズや形状は適当ですが… 😅

製作

「穴あけ → 接着 → 配線/取り付け → 仮組み(吸音材詰め)→ 密閉」と進めました。

穴あけ

穴あけの道具類
穴あけの道具類

コンパス型の「サークルカッター」にするか、円筒形の「ホールソー」するか迷いました。前者は汎用性がある反面、ブレずに切削するのが難しそうだったので、結局 Φ70mm の「ホールソー」を Amazon で購入しました。

「サークルカッター」ですが、最小径は大抵 30mm で、キットに付属してくるポートの穴径 Φ26mm には大きすぎます。この意味でも「ホールソー」のセットが良いかと思います。

糸鋸とヤスリ
糸鋸とヤスリ

バスレフ開口部の穴あけには、ドリルソーでケガキ線の内側にたくさん穴を開け、ひたすらヤスリで削ります。

また仕切り板は、糸鋸で 1mm ほど大きめに切断し、内部にピッタリ合うようサンドペーパーで削りました 😤

接着

クランプによる締め付け
クランプによる締め付け

張り合わせる面に木工用の接着剤を塗り、箱を組み立てていきます。クランプで締め付けた時にどうしても接着剤がはみ出るので、濡れた布で拭き取れ後処理が簡単な「水溶性」が良いと思います。

接着剤にはセメダインの「木工用 速乾タイプ」を使いました。仮組みに2時間程度、実用強度が出るまでは24時間程度と言われるので、私の場合は1面だけを残して全部を張り合わせるのに2日間を費やしました。

クイックバークランプ
クイックバークランプ

またクランプはネジ締め式の真鍮製もありますが、私はホームセンターで クイックバークランプ QBC-200 というのを購入しました。真鍮製の半額で、締め付け力も十分に(9mm の板がたわむほど)強く、押し広げにも対応しています。

均等に圧力を掛けられるよう最低でも2組あった方が良いと思います。私はケチって1個しか買いませんでしたが… 😛

配線/取り付け

スピーカー端子への半田付け
スピーカー端子への半田付け

最初にスピーカー端子に赤黒のリード線を半田付けします。±極性は、コーンが出っ張るか引っ込むかの違いだけですが、ステレオで左右が逆位相にならないように合わせます 🤪

次にリード線をボックス内に通して背面のターミナルに半田付けし、最後にそれぞれをタッピングビスで止めます。

ハンダごて&フラックス
ハンダごて&フラックス

私は電子工作用に 500℃まで温度設定ができる 80W タイプのコテを使っていますが、小ワット数のコテだとスピーカー側の端子にハンダが接合するまで少し長く加熱する必要があるでしょう。リード線の被覆を長めに剥き、端子の穴に通して折り返し、銅線と端子側にもフラックスを塗ります。そして端子側を数秒間加熱してからハンダを流し込んでいきます。

仮組み(吸音材詰め)

吸音材
吸音材

吸音材は NFJ のエンクロージャキットにも同梱されてますが、Amazon で見つけた 音工房Z という会社の「スピーカーボックス専用 吸音材フェルト (50cm×幅90cm×厚み0.8cm) ミッドバスから高域までの広い帯域の吸音に最適」という商品を購入してみました。

仮組み(吸音材詰め)の様子
仮組み(吸音材詰め)の様子

厚ければイイってモンかどうか分かりませんが、「ご挨拶」のレターが入っていて、ユーザー登録すると「吸音材の使いこなしを極めてスピーカーの能力を飛躍的にアップさせる吸音材使いこなしマニュアル」なるものにアクセスできる様になります。シロウトには大変有り難いオマケでした 👍

密閉!

製作したエンクロージャー達
製作したエンクロージャー達

吸音材詰めが決まったら、最後の1枚を接着、クランプしながら1日かけて乾燥させて、完成です。クランプ1個で2つのエンクロージャーを作るのには、合計6日間かかりました 😎

写真にあるトグルスイッチは、2つのスピーカーを聴き比べるための切り替え用です。

試聴

今回の製作は、「ESP32 2432S028R (CYD)でLVGL - MP3 Music Playerをリリースします」で紹介した CYD を机上で鳴らすエンクロージャーを作る事が目的です。記事で紹介したように、オンボードのローコストアンプ IC SC8002B は音楽を聴くには適していません。ということで以下は、製作した2タイプのうち相対的にどちらが好ましい音かについての所感です。

どちらのタイプも十分にエイジングをした上での試聴です。

まず最初にビックリしたのは、「低音の鳴り」ではなく、両タイプの「鳴りの違い」でした。

密閉型①の試聴感

NFJ の売り文句通り、低音は妙に強調された感じなく、ベースやドラムはクリアに小気味よく鳴ってくれます。頂けないのは中高音です。曲によっては、エンクロージャーがふくよかな響きを聴かせてくれますが、アンプ IC の性能の低さを差し引いても、だんすぴ+500円スピーカーを少しマシにしたような、平べったい音になっちゃいました。

スピーカーに対してエンクロージャーが小さすぎたのでしょうか?

バスレフ型③の試聴感

低音は①と変わりなく、机上で BGM を流す程度の使い方にも満足できる出来です。逆に思ったほど低音が増幅された感じがしないのは、仕切り板の長さや形状を適当にしちゃったからでしょう。封印する前にチューニングすべきでした 😣

劇的に違うのは中高音です。シロウト考えですが、スピーカー背面の逆位相の音波が反射により同位相となって開口部から放射されたからか、または密閉型に比べて空気の抜けが良くなりコーンが動きやすくなったからか… 平べったい感じは消え、中音域がより前に出てきたというか、フルレンジの特性がしっかり活かされたクリアな音に仕上がりました。

高音域が潰れ気味なのは安いアンプ IC のせいでしょう。普通のオーディオアンプに繋げて聴いてみたくなります。

あとがき

エンクロージャのシミュレーション
エンクロージャのシミュレーション

今回の製作・試聴を通してマニアさんがハマる気持ちが分かった気がします。エンクロージャーについて検索していると、原音の忠実な再現を目指したり、好みの音を探求するため、古今東西、様々なエンクロージャーが考案・実験されてきた様子が見えてきます。

シミュレーション技術が発達した現在でもなお、最後はチューニングと言う手間が必要な世界に、人は惹きつけられるのかもしれませんネ。

ただこれ以上スピーカーの世界にハマると、時間もお金も足りなくなりそうなので、私はこの辺にしておきたいと思います 😉